私のS660には、中古車として購入した時点から社外ホイールナットが装着されていました。
私自身が選んで取り付けたものではありません。
購入後しばらくはホイールを外す機会もなく、そのまま走行していました。
ところが2025年6月28日、フロントサスペンションのリコール対応でHondaディーラーへ車両を預けた直後、電話がかかってきました。
「ホイールナットが危険です。」
これが、今回のトラブルが発覚したきっかけでした。
トラブル発覚までの経緯
① 2025年5月24日 中古車としてS660を購入
購入時から社外ホイールナットが装着されていた。
この時点では問題を認識していない。
② 2025年5月下旬〜6月初旬 CVT不調発覚
購入したばかりでワインディングを走っていたところCVTの不調が発覚。
状態を確認するため、走行テストを繰り返していた。
→ S660 CVTトラブル
③ フロントサスペンションのリコール
ちょうど同じ時期、フロントサスペンションのリコール対応についてHondaディーラーへ相談していました。
私のS660はαですが、購入時から減衰力調整式のModulo Xサスペンションが装着されていました。
通常のα用サスペンションとは異なるため確認に時間を要しましたが、サスペンション固有番号から対象確認ができ、Modulo X用部品で対応してもらえることになりました。
→ このリコールについては別記事で紹介予定
④ 2025年6月28日 ディーラーから突然の電話
2025年6月28日の午前中、リコール作業のためS660をディーラーへ預けました。
帰宅して間もなく、ディーラーから電話がかかってきました。
「ホイールナットが危険な状態です。」
すぐにディーラーへ戻り、実車を確認しながら説明を受けました。
問題のホイールナット

おわかりいただけただろうか

右:ホンダ純正ナット(球面座)
左:装着されていた社外ナット(テーパー座)
見た目はどちらも純正ホイールナット

↑上の図の左が球面座に球面ナット、右が球面座にテーパーナットを装着したときのイメージです。赤の部分だけで支えている状態になります。
純正球面座 → 座面形状が合っている
テーパー座 → 形状が合わず先端側に接触が集中する
⑤ 何が問題だったのか
Honda純正ホイールは球面座に対応したナットを使用します。
しかし、私のS660にはテーパー座の社外ナットが装着されていました。
取り外したナットを確認すると、適切な座面全体ではなく先端付近に接触した痕跡が確認できました。
「ネジが締まる=正しく固定できている、ではない」
このまま使用を続ければ接触部分の摩耗などによって締結状態が悪化し、最悪の場合はホイール脱落につながる可能性も考えられます。
⑥ 緊急で純正ナットへ交換
ディーラーにHonda純正ホイールナットの在庫があったため、その場で交換することにしました。
費用は約6,000円。
予定外の出費でしたが、安全に関わる部分なので迷う余地はありませんでした。
⑦ 中古車販売店へ相談
購入時から装着されていた部品だったため、中古車販売店へ連絡し、保証対象になるか確認しました。
担当者には状況を理解していただきましたが、最終的な販売店側の判断は保証対象外でした。
私が受けた説明では、「車検を通過しているため問題ない」という趣旨の回答でした。
数週間にわたってやり取りしましたが判断は変わらず、純正ナット代は自己負担となりました。
同時期に発生していたCVT不調については保証対応してもらえることになっていたため、最終的にホイールナットについては自己負担で終えることにしました。
中古S660を購入したら、一度確認してほしい
私の場合、この問題を発見したのは自分ではありません。
もしフロントサスペンションのリコールがなければ、さらに長期間気付かず走っていた可能性があります。
中古車は前オーナーがどのような部品を取り付け、どのような作業をしていたのか分からない場合があります。
特にホイールナットは見た目だけでは判断しにくい部分です。
中古車を購入したら、ホイールとナットの座面形状が適合しているか一度確認してみてください。
「締まっているから大丈夫」とは限りません。
ディーラーの作業担当者に感謝
今回のホイールナットの問題は、私自身が発見したものではありません。
フロントサスペンションのリコール作業で車両を預けた際、作業担当者の方がホイールを取り外す過程で異常に気付き、すぐに連絡してくれました。
正直なところ、私が自分でホイールを外していたとしても、この違いに気付けたかどうか分かりません。
リコールとは別の部分にもかかわらず異常を見逃さず、危険性まで説明してくれたことには本当に感謝しています。
「よくこれに気付いたなぁ」と感心しました。
結果的に、リコール対応が別の危険を発見するきっかけになりました。
今回の教訓
「ホイールナットは、ネジ径・ピッチが合えば使えるわけではない。座面形状まで確認する。」
「DIYでできることは自分で楽しむ。でもプロだからこそ気付けることもある。」
DIYは自己責任で行うことになりますが、ブレーキなど不備があれば事故に直結するような場所はプロに任せるべきです。費用をケチって事故を起こすようでは本末転倒です。
今回、誰かを責めたいわけではありません。
このナットがいつ、誰によって取り付けられたのかは分かりません。
中古車として購入した私自身も、その危険性に気付いていませんでした。
ただ一つ確かなのは、もし走行中にホイールが外れて事故を起こしていたら、「知らなかった」だけでは済まなかったということです。
自分だけでなく、家族や、まったく関係のない人を巻き込んでいた可能性もあります。
車検や定期点検には費用がかかります。
正直、「またお金がかかるな」と思うこともあります。
でも今回の経験で、その費用は単に法律を守るためだけに払っているものではないと思うようになりました。
点検を受けることは、自分の車を見るもう一組の目を持つことでもある。
私が気付かなかったホイールナットの異常を、ディーラーの整備担当者が見つけてくれました。
あの日の点検がなければ、そのまま走り続けていたかもしれません。
法律で点検が義務付けられている。
それは面倒な規制であると同時に、私たち自身や周囲の人を守る仕組みでもある。
今回の経験から、私はそう考えるようになりました。
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