納車当日。
S660を初めて自分で運転して、登り坂でアクセルを踏んだ。
過去に乗ったNAの軽自動車とは違い、速度が落ちるどころか普通に加速していく。
思っていたよりずっと速い。
私は怖くなってアクセルを戻した(笑)。
その時、頭に浮かんだのはひとつ。
このクルマ、もっと速くできるんじゃないか?
でも、高回転は?
登り坂での加速には驚いた。
では、もう少し踏み込んだらどうなる?
確認したくなって、アクセルを踏み込み、エンジンを5000rpm以上まで回してみた。
ところが――。
あれ?
思ったほど伸びない。
低〜中回転ではあれだけ元気に感じたのに、回転を上げていくと、期待していたほどパワー感が増してこない。
むしろ5000rpmを超えたあたりから、少しフラットになるように感じた。
なぜだろう。
街乗りで使う低〜中回転域にかなり振ったセッティングなのか。
それとも、高回転側は何か意図的に抑えられているのか。
もちろん、この時点では何も分かっていない。
ただ、
「ここをもう少し使えるようにしたら、もっと面白くなるんじゃないか?」
という興味だけは、はっきり生まれていた。
まずは見た目から速くする
納車前から、すでにいくつかパーツを探していた。
そのひとつが、無限のフロントグリル。
新品で買えばかなり高価で、とても手が出せない。中古でもすでに希少品扱い。
そんな中、オークションサイトで「ギリギリ手が届く……でも決して安くはない」という価格のものを見つけた。
迷った。
でも、無限なら間違いない。
そして何より――。
無限のパーツを付ければ、精神的に速くなる(笑)。
ということで購入。
5月28日。
納車からわずか4日後、最初のカスタムとして無限グリルを取り付けた。
実際の馬力は1psも増えていない。
でも、見た目は確実に速くなった。
少なくとも私はそう思っている(笑)。

今度は本当に速くする
そして5月31日。
今度は見た目ではなく、本当にパワーアップを狙うことにした。
選んだのは、
RaceChip ONE。

RaceChipを選んだのには理由がある。
私はS660より前に、RP3ステップワゴンでもRaceChipを使っていた。
ステップワゴンではブーストアップの効果をしっかり感じられ、しかもブーストも比較的安定していた。
その経験があったので、
「S660でも同じように効くはず」
という期待があった。
RaceChip ONEも、実はS660の納車前からすでに調達していた。
最初からやる気満々だったらしい(笑)。
ブースト計も必要だった
RaceChipと同時に、ブースト計も取り付けた。
これもステップワゴンでの経験が理由だった。
ステップワゴンではレーダー探知機のOBD表示でブーストを確認していたが、RaceChip装着後は実際の感覚に対してかなり低い値を表示するようになった。
そこで別にブースト計を取り付け、実際の過給状態を確認していた。
その経験から、
S660でもRaceChipを使うならブースト計は必須。
そう考えた。
パワーアップした“気がする”だけではなく、数字でも確認したかった。

RaceChip ONE、最初の印象
まずはデフォルト設定のB1からスタート。
走ってみる。
……少し速くなったかな?
加速もレスポンスも、確かにノーマルよりプラスアルファは感じる。
ただ、劇的に変わったというほどではなかった。
ブースト計を見ると、最大ブーストは約0.9。
思っていたほど上がっていない。
旧型RaceChip ONEは設定変更の自由度が比較的高かったため、今度はF1へ変更してみた。
すると、レスポンスとパワー感はさらに良くなった。
これは悪くない。
ところが――。
ブースト計の最大値は、やはり0.9前後。
一方、OBD表示では0.3程度しか表示していない。
RaceChipが何らかの仕事をしていることは体感できる。
でも、なぜブーストはそれ以上上がらない?
なぜOBD表示だけ極端に低い?
ここでまた、新しい疑問が生まれた。
まだ何かある
この時点では、アクチュエーターロッドの調整なんて考えていなかった。
RaceChipを付ければ、もっと簡単にブーストも上がって、分かりやすくパワーアップする。
そんなイメージを持っていた。
でも実際には、
パワー感は上がった。
ブーストは上がらない。
どういうことだろう。
S660の過給制御は、思っていたより単純ではないのかもしれない。
もっと調べてみたい。
もっと走らせて確かめたい。
そう思うようになった。
そして、RaceChipの性能確認も兼ねてワインディングへ向かった。
そこで初めて。
今度はエンジンではなく、CVTの動きに妙な違和感を感じることになる――。
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